- ゲーミングPCは、動画編集にも使えるって本当?
- ゲーミングPCを動画編集で活用するポイントが知りたい
ゲーミングPCは、ゲームの用途でしか使えないと考えていませんか?実はゲーミングPCは、動画編集にも最適なパソコンです。
この記事では、ゲーミングPCが動画編集に適している理由や必要なスペックを詳しく解説します。最後まで読めば、ゲーミングPCを動画編集で活用する方法がわかります。
ゲーミングPCは、高性能なグラフィックカードやプロセッサを搭載しており、スムーズな動画編集作業が可能です。適切なゲーミングPCを選んで、動画編集の効率をアップさせましょう。
ゲーミングPCが動画編集に適している理由
ゲーミングPCが動画編集に適している理由は、搭載されている高性能なハードウェアにあります。以下3つのハードウェアの性能が、重要なポイントです。
- 高性能なグラフィックカード
- 高速なプロセッサ
- 大容量のメモリ
高性能なグラフィックカード
高性能なグラフィックカードは、動画編集時にリアルタイムでのプレビューやエフェクトの処理を高速に行えます。
代表的な高性能グラフィックカード
- NVIDIAのRTXシリーズ
- AMDのRadeon RXシリーズ
最新グラフィックカードは、高解像度の動画素材をスムーズに扱えるので大変便利です。
ビデオメモリ(VRAM)が多いほど、より大きなファイルや複数のビデオストリームの効率的な処理が可能です。動画編集の作業効率アップが期待できます。グラフィックカードに搭載されているCUDAコアや、ストリームプロセッサの数が多いほど、複雑なグラフィック計算も高速です。
高性能なグラフィックカードは、DirectX 12やOpenGLなどの技術をサポートします。さまざまな編集ソフトウェアと高い互換性があるのも特徴です。
高速なプロセッサ
高速なプロセッサは、動画編集時のエンコードやレンダリング(※1)を迅速に行います。さまざまな要求に応えられるよう設計されているからです。動画編集では高解像度の素材を扱ったり、複雑なエフェクトを加えたりするため、プロセッサの処理能力が求められます。
ゲーミングPCに多く搭載される高性能CPU
- Intel Core i7、 i9
- AMD Ryzen 7、9
IntelのCore i9やAMDのRyzen9のような高性能CPUは、複数のコアを持ち高いクロック速度を誇ります。動画編集ソフトウェアを複数同時に動かしても、スムーズな作業が可能です。プロセッサは、高解像度の動画データを素早く処理できるため、時間をかけずに高品質な動画制作ができます。
プロフェッショナルの動画編集者や高品質の動画を求めるユーザーにとって、高性能なCPUの採用は大きなメリットです。高速なプロセッサを搭載したゲーミングPCを選べば、動画編集作業のスピードと品質を両立します。
プロセッサの性能を持続させるためには、適切な冷却も必要です。熱管理が重要な要素といえます。
※1 レンダリングとは、マークアップ言語やほかのデータ形式で記述された描画指示や内容を解釈して、画像や動画、音声などを生成することを指します。
大容量のメモリ
大容量のメモリは、複数のアプリケーションやプロセスを同時に扱う際に非常に重要です。 動画編集では、高解像度の素材を扱うために多くのメモリが必要とされています。メモリの容量が多いほど、作業の効率は向上します。
ゲーミングPCでは、16GB以上のメモリが標準です。32GB以上のメモリを搭載するモデルも増えています。 メモリが多いと、動画編集ソフトウェアのプレビューやレンダリング速度が向上します。長時間の動画や、複数のビデオトラックを扱っても性能が低下しません。
高負荷の作業を行う際には、大容量のメモリを搭載したゲーミングPCが適しています。
» 動画編集のメモリ問題を解説
動画編集用ゲーミングPCの必要スペック
動画編集用ゲーミングPCを選ぶ際にはCPUやGPU、メモリ容量が重要です。動画編集では高い処理能力が求められるので、スペックが不足しているとスムーズな編集作業ができません。
動画編集に必要なゲーミングPCのスペックは、以下のとおりです。
- CPU
- 高性能なマルチコアプロセッサを選択(例:Intel Core i7またはi9, AMD Ryzen 7または9)
- GPU
- 高性能なグラフィックカード(例:NVIDIA RTX 3060以上、AMD Radeon RX 6700 XT以上)
- メモリ容量
- 最低16GB、推奨32GB以上
スペックをしっかり確認して、問題なく動画編集ができるゲーミングPCを選びましょう。
» 動画編集に必要なPCスペックを解説
CPU
動画編集作業では、マルチコア・マルチスレッド処理能力が必須とされます。CPU(※2)は、Intel Core i7以上またはAMD Ryzen 7以上のプロセッサがおすすめです。高いクロック速度と多くのコア数を兼ね備え、複雑なエフェクトやレンダリングの高速化に役立つからです。
CPUのキャッシュメモリが大きければ大きいほど、データ処理の効率も向上します。オーバークロック機能(※3)つきのCPUを選べば、プロセッサの性能を最大限に引き出せます。
特性を備えたCPUを選択して、スムーズかつ効率的な動画編集作業を実現しましょう。
※2 CPUとは、中央処理装置の略で、人間でいう頭脳のような存在です。ほかの装置や回路の制御、データの演算を行う機能があります。
※3 オーバークロック機能とは、CPUなどのハードウェアを製品ごとにあらかじめ設定された周波数よりも、高い周波数で動作させる機能のこと。
GPU
GPUは、ビデオ処理とレンダリングを高速化するために特化したハードウェアです。動画編集では、高解像度の映像をスムーズに処理するために高速なビデオ処理が求められます。動画編集作業をよりスムーズに行うために、GPUは欠かせません。
- 動画編集には、CUDAコアやTensorコアなどの多数の演算コアを持つGPUが推奨される
- VRAM(※4)は、大容量であるほど高解像度の動画編集に適している
GPUは、複雑なビデオエフェクトや3Dグラフィックスの処理において高いパフォーマンスを発揮します。動画編集時のレンダリング時間が短縮され、作業効率の向上が期待できます。
動画編集によく使用されるGPUの例
- NVIDIAのGeForce RTXシリーズ
- AMDのRadeon RXシリーズ
上記GPUは、高いグラフィック処理能力と大容量のVRAMを備えていて、動画編集に適切です。
GPUのパフォーマンスは、動画編集ソフトウェアがどれだけGPU加速をサポートしているかにも依存します。適切なソフトウェアとGPUの組み合わせが、動画編集の品質と効率を最大化します。
※4 VRAM(ビデオRAM)とは、GPUの内部に搭載されているメモリのこと。大容量のVRAMを持つGPUは、より高解像度の動画を効率的に処理できます。
メモリ容量
動画編集用のゲーミングPCでは、最低限16GBのRAMが必要とされています。高解像度のファイルを扱う際に、必要な基本的なメモリ容量です。
より複雑なプロジェクトや多数のエフェクトを使用する場合は、32GBまたはそれ以上のRAMが望ましいです。メモリ容量が多いほど、複数のアプリケーションを同時にスムーズに進められます。RAMの速度もパフォーマンスに大きく影響するので、高速なRAMを選択しましょう。
ゲーミングPCを動画編集で使用するポイント
ゲーミングPCを動画編集で使用する際には、3つのポイントがあります。
- システムの維持管理を行う
- 冷却対策を行う
- ソフトウェアとの互換性を確認する
上記ポイントをおさえて、最適な動画編集環境を保ちましょう。
システムの維持管理を行う
システムの維持管理は、ゲーミングPCのパフォーマンスを保つために非常に重要です。
- 定期的にシステムアップデートを実行する
- デフラグメントを定期的に行う
- セキュリティソフトを更新し、常に最新の保護を確保する
- ストレージの空き容量を常に一定以上保つ
- ハードウェアの温度監視を行い、過熱を防ぐ
定期的なメンテナンスを行えば、システムの安定性が向上します。長期間にわたり、高速かつ効率的な動画編集作業が可能です。
維持管理作業を適切に行い、動画編集作業に集中できる環境を整えましょう。
冷却対策を行う
ゲーミングPCのパワフルな処理能力を維持するためには、適切な冷却が必要です。PCケースの通気性をよくし、内部の空気の流れを最適化しましょう。そのほかの冷却対策は、次のとおりです。
- 水冷システムを導入して、CPUやGPUの温度を効果的に管理する
- オーバークロックを行う際は、適切な冷却対策を講じる
- 高温になりやすい環境を避け、PCの設置場所を工夫する
高品質なファンの使用や追加の冷却ファンを設置すれば、PC内部の温度を効果的に下げられます。水冷システムを導入すると、CPUやGPUなどの重要な部品の温度をより効率的に管理可能です。
熱伝導を改善するためには、サーマルペーストを定期的に交換するのもおすすめです。冷却対策でゲーミングPCの性能を最大限に引き出し、安定した動作を維持してください。
ソフトウェアとの互換性を確認する
ゲーミングPCで動画編集を行う際は、使用するソフトウェアとの互換性を確認しましょう。互換性がない場合、ソフトウェアが正常に動作しない恐れもあるからです。
- 使用する編集ソフトウェアのシステム要件を確認する
- OSの互換性を確認する(WindowsまたはMac)
- ドライバの互換性と最新性をチェックする
- ソフトウェアが64ビットまたは32ビットを要求するか確認する
- ソフトウェアのアップデートとパッチが定期的に提供されているかを調べる
上記ポイントを確認すれば、ソフトウェアとハードウェアの最適な組み合わせを実現し、作業効率と品質の向上も期待できます。
価格帯別の動画編集用おすすめゲーミングPC
動画編集に最適なゲーミングPCを選ぶ際は、使用目的や予算に応じて適切な機種を選ぶことが重要です。
- エントリーレベル (10万円未満)
- 基本的な動画編集が可能。CPUはCore i5程度、メモリは8GB、GPUはGeForce GTX 1650を推奨。
- ミドルレンジ (10万円~20万円)
- より高度な編集や軽い3D作業に適用。CPUはCore i7またはAMD Ryzen7、メモリは16GB、GPUはGeForce RTX 2060。
- ハイエンド (20万円以上)
- プロフェッショナルレベルの動画編集に対応。CPUはCore i9またはAMD Ryzen9、メモリは32GB以上、GPUはGeForce RTX3080やそれ以上。
価格帯に応じて、最適なモデルを選べるように具体的なスペックを紹介します。ニーズにあったゲーミングPCを選びましょう。
エントリーレベル (10万円未満)
エントリーレベルのゲーミングPCは、動画編集を始める初心者や予算をおさえたい人に最適な選択肢です。
- AMD Ryzen 5やIntel Core i5などの中級CPUが搭載されていることが多い
- GPUはNVIDIA GTX 1650やAMDのRX 6500 XTなどが一般的である
- メモリは通常8GBから16GB程度が多い
- SSDの容量は通常256GBから512GBが定番である
- 基本的な1080pの動画編集がスムーズに行える
- ゲーミング向けのため、動画編集時も安定した処理能力を保持する
より多くのアプリケーションを同時に使用する場合は、メモリのアップグレードを検討しましょう。ストレージは、256GBから512GBのSSDが搭載されており、高速なデータアクセスが可能です。必要に応じて、容易に拡張できる点も魅力の1つです。
エントリーレベルのゲーミングPCは、コストパフォーマンスに優れています。動画編集の入門機として非常におすすめです。
ミドルレンジ (10万円~20万円)
ミドルレンジの動画編集用ゲーミングPCの価格帯は、10万円から20万円です。ミドルレンジは、中級から上級レベルの動画編集作業に最適です。良質なプロセッサとグラフィックカードを備えています。多くの動画編集ソフトウェアをスムーズに動かすことが可能です。コストパフォーマンスが高い製品群といえます。
- AMD Ryzen 7やIntel Core i7などの強力なプロセッサを搭載
- NVIDIA GeForce RTX 3060またはAMD Radeon RX 6600 XTなどの、中級グラフィックカードを採用
- 16GBから32GBのRAMを備え、動画編集作業に必要な速度と効率を提供
- SSDは512GB以上推奨で、高速なデータアクセスと大容量ストレージを実現
複雑なエフェクトや高解像度の動画を効率よく処理でき、グラフィック重視の作業が快適に行えます。大規模な動画ファイルの編集が問題なく行えるのも、ミドルレンジの特徴の1つです。長時間の作業でも、パフォーマンスの低下を最小限におさえられます。
ミドルレンジのゲーミングPCは、価格と性能のバランスがとれた製品です。多くの動画編集者が利用できる、十分なスペックを備えているといえます。
ハイエンド (20万円以上)
ハイエンドなゲーミングPCの購入には、20万円以上の投資が必要です。ハイエンドのPCは、最新世代の高性能CPUやGPUを搭載しています。重たいゲームや、プロフェッショナルな動画編集作業もスムーズにこなせます。大容量のメモリと高速なストレージシステムによって、快適な運用が可能です。
- 最新世代の高性能CPU(例:Intel Core i9、AMD Ryzen 9)
- ハイエンドGPU(例:NVIDIA RTX 3080、AMD Radeon RX 6900 XT)
- 高性能な冷却システム
- 耐久性と拡張性に優れたマザーボード
- 効率的な電源ユニット(750W以上推奨)
- 高速インターネット接続に対応したネットワークカード
4K以上の解像度でのゲーミングや動画編集も可能です。64GBものRAMと1TB以上のSSDが組み合わされているため、最高のパフォーマンスを発揮します。
高価格に見あうだけの価値があるのが、ハイエンドなゲーミングPCです。専門的な用途や最先端のゲームを楽しむためには、ハイエンド機材の選択が欠かせません。
ハイエンドのゲーミングPCを選ぶ基準
- RAMは32GB以上、64GBが理想的
- 大容量かつ高速なSSDは、1TB以上がおすすめ
まとめ
ゲーミングPCは高性能なグラフィックカードや高速プロセッサ、大容量メモリを搭載しているため動画編集に適しています。複雑な動画編集作業がスムーズに行えるので、動画編集を始めたい人や、より効率的な編集を求めている人におすすめです。
- 動画編集に必要なスペックは、強力なCPU・高性能GPU・十分なメモリ容量
- ゲーミングPCを動画編集で効率的に使用するためには、システムの維持管理やソフトウェアとの互換性の確認が重要
- 価格帯に応じて選べるゲーミングPCは、エントリーレベル・ミドルレンジ・ハイエンドがあり、用途と予算に応じた選択が可能
適切なメンテナンスや冷却対策をほどこせば、長期間にわたり高性能を維持できます。一度の投資で長く使い続けられるゲーミングPCを用いて、スムーズな動画編集作業を実現しましょう。
» 動画編集のやり方を解説